今後の課題は、知る人ぞ知る的なニッチ勢力であることを維持しながら、より多くの人にボルボはヒューマンセントリックな思想でクルマづくりをする素敵なブランドなんだと認知してもらうことだ。
特に日本市場では、ボルボはジャーマン系に比べて認知度が著しく低いうえ、イメージも昔のスウェーデンブランドのままだ。認知度が高まり、新車価格が高くて手は出ないができることならそういうクルマが欲しいというユーザーが増えれば、課題である中古車相場の低さも次第に解消することだろう。
日本でボルボが年間2万5000台を売っていたのは、変わった輸入車というだけである程度ちやほやされていた時代だっただけのことで、それよりビジネスが格段に難しくなった今日、販売をその水準、あるいはそれ以上に持っていくのは、もとより困難な道だ。
それができるかどうかは、ディーラーの顧客満足度引き上げも含め、これからどういう手を打つかにかかっているが、成し遂げるだけのポテンシャルをボルボ車が持っていることは十分に感じ取れたドライブだった。