ビジネス

LEDライトとサーキュレーターを一つにした照明、誕生秘話

ドウシシャの『サーキュライト ソケットモデル』

 ユニークな商品を生み出すドウシシャから、LEDライトとサーキュレーターをひとつにした照明が誕生した。サーキュレーターで室内の空気を循環させ、湿気の嫌なジメジメ感を解消してくれるこの商品が開発された背景に迫る!

 4月に発売された『サーキュライト ソケットモデル』(オープン価格 実勢価格約8000円)は、サーキュレーターとシーリングライトが一体化した送風機能付きの照明だ。この形に至るまでには前段がある。

 照明開発を担当したドウシシャの伊藤誠さんは、LED照明の次なる商品を模索していた。伊藤さんが目指したのは、照明と扇風機が一体化した“シーリングファン”だ。従来のシーリングファンは大きな羽根の下に照明を搭載していたため、低い天井に取り付けると圧迫感があった。重さもかさみ、明かりについて不満を感じる人も多かった。

 そこで、伊藤さんは、中央部にサーキュレーターを据え、その周りにLEDシーリングライトを搭載した。その厚さはわずか160mm。

すっきりした見た目の新しいデザインも採り入れた。こうして商品化されたのが『シーリングサーキュレーター』(昨年3月発売)だ。ほかにないユニークさもあって、発売後は数多くのメディアに取り上げられ、ユーザーからも好評を博した。

 たしかな手応えを感じた同社は、このスタイルを生活の中にもっと手軽に取り入れることができないか、と考えた。そこから『サーキュライト ソケットモデル』の開発がスタートした。

 一般家庭で照明を設置する際は、リビングや寝室にある「引掛シーリング」や、「電球ソケット」に器具を取り付けることが多い。同社が着眼したのが「電球ソケット」だ。手軽に電源をとれる電球ソケットならば設置も簡単で、いろいろな使い方ができるのでは、と考えたのだ。

 そこで、本体を180mm径の小型ボディーにし、LED照明と小型ファンを内蔵した。また、ファンの回転数を増やし、短時間で空気を循環できるようにした。電球ソケットが設置されているのはトイレや洗面所といった狭小空間が多く、そこでの照明利用時間はリビングや寝室に比べるとかなり短いことを考慮してのことだ。

 さらに、開発当初、ボタンは本体側面にあったが、女性ではそこまで手が届きにくいため、リモコンを付属し、手元で操作できるようにした。

「社内では照明と風の開発チームは独立しているので、交流がありませんでした。照明に対するノウハウはありましたが、私は風に関しては専門外なので、風の開発チームに風量や風の広がり方などを教えてもらい、調節をしていきました」と、伊藤さんは話す。

 これから季節は梅雨。湿気が気になるという人も多いだろう。特に、トイレや洗面所は天井に湿気がたまりやすい。そんな嫌なジメジメ感をも解消してくれる『サーキュライト ソケットモデル』があれば、快適に過ごせるだろう。

※女性セブン2019年6月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
(公式HPより)
《確信犯?偶然?》山下智久主演『ブルーモーメント』は『コード・ブルー』と多くの共通点 どこか似ていてどこが似てないのか
NEWSポストセブン
タイトルを狙うライバルたちが続々登場(共同通信社)
藤井聡太八冠に闘志を燃やす同世代棋士たちの包囲網 「大泣きさせた因縁の同級生」「宣戦布告した最年少プロ棋士」…“逆襲”に沸く将棋界
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
睡眠研究の第一人者、柳沢正史教授
ノーベル賞候補となった研究者に訊いた“睡眠の謎”「自称ショートスリーパーの99%以上はただの寝不足です」
週刊ポスト
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン