また、両目の白内障を同時に手術する医師もいるが、これにはリスクもある。
「失明につながりうる眼内炎が両目同時に起きる可能性があります。片目の経過を見て、もう片方のレンズの種類や度数を調整することもできなくなるので、慎重に実施するのがいいと思います」(遠谷医師)
目に合ったレンズを選び、術後のリスクも減らす――そのために最も重要な医者選びの指針は、「患者のライフスタイルを考慮して、綿密な検査をしてくれるか」という点に尽きる。遠谷眼科では、検査の精度を高めるため、複数の角膜形状解析装置で目の形を検査し、患者のレンズに対する希望と日常生活について聞いた上で、リスクについても説明する。
「目の状態というのは人によって千差万別です。より正確な治療を行なうためには、十全な検査が欠かせない。そのためにはどうしても最新の検査機器が複数台必要になってくる」(遠谷医師)
文■伊藤隼也(医療ジャーナリスト)
※週刊ポスト2019年6月14日号