「『心臓MRI』は、心臓の筋肉の状態を診る検査で、心筋梗塞の早期発見に有効です。急性心筋梗塞は30代でも発症し得るので、症状がなくても50代からは2~3年に1回は受けたい。
『頸部エコー』は“ごく初期の動脈硬化”も捉えられるため、動脈硬化のリスクが高まる50代以降は3~5年に1回程度受けておきたい。『心エコー』も同様に受診することで、自覚症状のない心臓弁膜症を診断できます」
50代から罹患率・死亡率が急増する胃がんについて、前出・倉持医師は「少なくとも55歳までに一度は『ピロリ菌検査』を受けておくべき」と語る。
「世界各国の研究で、ピロリ菌は9割以上の胃がんの原因であることがわかっている。55歳を目安にピロリ菌の有無を調べておけば、その後の検査の方針の目安になります。
結果が陽性なら、それ以降はピロリ菌を除菌した上で、『胃内視鏡検査(胃カメラ)』を最低でも3年に1回は受けましょう。検査が陰性で注視すべき病変がない場合、内視鏡の頻度は5年に1回程度でも良いと考えられます」
50代から罹患率が高くなる肺がんは、「遅くとも55歳には『胸部CT』を受けておきたい」(前出・手塚医師)という。
「肺がん検診は、『胸部X線検査(レントゲン)』や『喀痰(かくたん)検査』を実施する自治体が多い。しかし、これらの検査では早期の病変を見つけられないケースも少なくないため、喫煙歴や血痰などのリスクを持つ方は『胸部CT』を3年に1回は受けたほうが万全です。
『胸部CT』を受けた後の2年間は、レントゲンと喀痰検査の受診を勧めています」(同前)
※週刊ポスト2019年8月2日号