ライフ

逢坂剛氏が孫に読ませたい本 「何回読んでも泣いちゃう」

逢坂剛氏が孫に読ませたい『クオーレ』

 超難関中学に進学した女優・芦田愛菜(15)が読書愛を語る著書『まなの本棚』が、発売早々ベストセラーに。孫を本好きにしたいと願う祖父母世代が多く買い求めているというが、ではどんな本を孫に読ませればいいのか──。作家の逢坂剛氏(75)が勧めるのは、『クオーレ』(デ・アミーチス著/和田忠彦訳)だ。

 * * *
 孫はもうすぐ4歳になるのと、1歳になったばかりの二人。本というと、今は「むかしのご本、読んで」と、資料として置いてある江戸時代の図録なんかを一緒に見たりしています。

 小学生になったら読んでほしいのは『クオーレ』ですね。デ・アミーチスというイタリアの作家が書いた小説で、多くの出版社から翻訳されてきた古典の名作です。低学年でも読めるんじゃないかな。

 毎日の学校生活を綴った少年の日記と、先生による「今月のお話」で構成されていて、これが本当にいい話ばかり。何回読んでも泣いちゃうんだよ(笑い)。「母をたずねて三千里」の原作もこの本の中のひとつの話で、家族の絆や、親子の愛情なんかが描かれている。

 一方で国のために命を落とす少年監視兵の話など、愛国的な話も多い。この本が書かれた1886年とは時代が随分違うし、今の時代、人や世(国)のために何かをするなんてくだらない、バカバカしいと批判する人もいるかもしれない。

 でも、私はこの本を読んでくだらないという子供はいないと思う。『クオーレ』に描かれているのは、人間が持っている根源的な思いやりや優しさ。孫にはこの本からそれを学んでほしい。そして、できれば何度も読み返してほしい。そうすることで人間として成長できる小説だと思います。

※週刊ポスト2019年8月16・23日号

クオーレ (岩波文庫)

関連キーワード

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン