リゾートばかりではない。沖縄の中心街である那覇は、宿泊特化型ホテルが増加してきたイメージだが、国際通りに面した立地にもフルスペックホテルの開業が控えている。沖縄でも都市部の那覇や周辺エリアであれば人材確保はそこまで難題ではないだろうという想像に反し、中心部でも人手不足の実態は深刻だ。

「リゾートと比べてスタッフが自宅から通えるなど確かに利点はあるが、ホテルの人材確保は同業との奪い合いだけでなく、商業施設などもライバルになってきた」

 と話すのは、地元ホテルの人事担当者。近年、那覇では大型商業施設の開業が相次ぎ外国人旅行者にも人気だが、ここでも人材の奪い合いが起こっており、ホテル求人の時給を上乗せする施設もみられるという。

 もちろん、ホテル施設に限らず全国的にサービス業全般で人手不足が叫ばれているが、中でもホテルは“ハード・ソフト・ヒューマン”といわれる通り、ことさらヒトが重要になってくる。

 全国各地ホテル活況華々しいエリアでいえば、京都のホテルは供給過剰という話が業界内で話題になることが多く、当然スタッフ不足の深刻さも相当だ。ただ、京阪神エリアは大阪から来てもらうなど方策はある。しかし、沖縄の場合は気軽に東京や大阪から来てもらうのはなかなか難しい。

 また、このままホテルが増え続ければ、沖縄も供給過剰になってくる恐れはあるだろう。

 一般的に沖縄のホテル運営は数字が立てやすいといわれる。沖縄へのアクセスはほぼ飛行機になるため、便数・座席数から来訪者が予測できるからだ。那覇空港で現在建設中の第2滑走路完成まで来訪者の急増はないとされている。また、台風被害も多いエリアであるだけに“台風予算”もあり、そうしたリスクも織り込み済みだ。

 いまのところ理論上はまだ数千室が不足しているという概算だが、激安宿や民泊の急増、経済問題、国際問題も懸念材料と不安を語るホテル関係者は複数いた。

 近年はインバウンド需要で外国人観光客も沖縄のホテル活況を後押ししてきたが、その状況も雲行きが怪しくなり、リスクが顕在化してきたと危惧する声もある。さらに航空運賃にレンタカー代も必須という沖縄観光。国内の旅行客にとっては10月に予定される消費税の増税は忌避の理由になりかねない。

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