これについて、香港在住の内外のジャーナリストで構成する香港記者協会の副主席を務めたこともあるフリージャーナリストの譚自強氏は香港メディアの取材に対してこう指摘している。
「李嘉誠氏は中国大陸のビジネスをすべて引き上げるなど、中国政府から強い圧力を受けている。李嘉誠氏の広告は非常に巧妙だ。香港と中国のいずれにも肩入れせず、『中国を愛し、香港を愛し』と訴えて、両者にともにおもねっている。また、広告発表後に広報担当者を通じて文書を出し、『香港政府は解決策を見つけるために真面目に知恵を絞っている』『大義は最悪の結果を招きかねない』とも述べて、香港政府とデモ隊の双方にもメッセージを送っている。これは自己保身でなくて何であろうか」
また、「ボストン香港マカオの友協会」の謝中之会長は「李嘉誠氏のメッセージは八方美人で、広告だけからでは彼の真意は不明だ。氏は若いとき、労働者を酷使して財をなしてきた。また、中国政府との結びつきを深いだけに、何らかの政治的な意図があるに違いないが、私は彼の良心から出た言葉だと信じたい」とコメントしている。