芸能

俳優・岡本信人 「カメレオンみたいに周りに合わせちゃう」

岡本信人の俳優哲学とは

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優の岡本信人が、数々のホームドラマで身近な存在であり続けた芝居について語った言葉についてお届けする。

 * * *
 岡本信人は一九六八年に始まるテレビドラマ『肝っ玉かあさん』(TBS)で物語の舞台となる蕎麦屋の出前持ち役を演じ、それ以降も『ありがとう』『渡る世間は鬼ばかり』などのTBSホームドラマに出演、視聴者にとって身近な存在であり続ける。

「『肝っ玉かあさん』『ありがとう』は視聴率がよかったものですから、道を歩いていても『おい元気?』『頑張れよ』と気軽に声を掛けてくる人がいましたね。『おい、蕎麦屋』なんて言われて『はい』と思わず返してしまったこともありました。

 役づくりの上で身近さを意識したことはないですが、そういうのがあると成功したかな、という気はしています。

 出前持ち役の時、僕は本当に出前持ちになっていました。演じているという意識ではなく、格好良く言うと『役を生きてる』みたいな。そんな感じですね。

 こういう奴がいるだろうなっていうのが自分の中にあるんだろうと思います。大衆の中に紛れ込んでいる自分がいつもいるので、カメレオンみたいに周りの色にすっと合わせちゃうことをどこかでしているんでしょう。

 ですから、周りの中で自分だけ目立つことはしません。ドラマの流れの中でちゃんと一つのピースになっていないと。ジグソーパズルでいうと、赤の中にいきなり黄色のピースが入っちゃいかんよ、と。そういう周りを読む、ということを知らず知らずのうちにやっていたのかもしれません」

 多くの名優がホームドラマでの日常的な演技に苦戦してきたが、岡本はそれを飄々と超えてきた。どのような秘訣があるのだろうか──。

関連キーワード

関連記事

トピックス

体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
睡眠研究の第一人者、柳沢正史教授
ノーベル賞候補となった研究者に訊いた“睡眠の謎”「自称ショートスリーパーの99%以上はただの寝不足です」
週刊ポスト
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
女性セブン