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J:COM社長が語る「放送ビジネスの近未来展開」

ジュピターテレコムの井村公彦社長

 J:COMブランドで知られる、ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム。ケーブルテレビ、インターネット、固定電話の3サービスを柱として、ここ数年は電力やガス、モバイル分野にも事業を拡げてきた。同社の強みである地域密着の事業展開を今後どう進化させていくのか、井村公彦社長(61)に訊いた。

──このシリーズではまず、平成元年(1989年)当時に何をしていたかを伺っています。

井村:私は1981年に住友商事に入社し、1989年から1990年にかけてアメリカのUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のビジネススクールに留学していました。

 留学前の1987年10月には、いわゆる「ブラックマンデー」がありました。ニューヨークダウが急落して景気が悪くなり、アメリカが最も元気のない時代だった。私がUCLAに通っている間も、アメリカはその後遺症を引きずっているように見えました。

 一方、日本はちょうどバブル経済のピークで、三菱地所さんがロックフェラーセンターを買い、三井不動産さんがエクソンビルを買い、ソニーさんがコロンビアピクチャーズを買収と、日本企業が強かった時期でした。

 両国の明暗がものすごくはっきりしていた時代でしたが、現地で感じたのはアメリカという国の底力です。

 UCLAは比較的日本人が少なく、多くの人種が学び、女性比率も高かった。年齢幅も20代前半から40歳前後まで幅広い。多様性を受け入れ、新しいものを創造しようとする懐の深さをよく覚えています。また、教授の講義以上に学生の発言のほうが面白かった記憶がありますね。

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