芸能

俳優・岡本信人 笹舟が転覆しないように頑張って漕いできた

岡本信人が心がけてきたことは?

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、普通の人をホームドラマで演じているイメージが強い俳優の岡本信人が、人形劇で三国志の曹操・董卓といった権力者を演じた思い出について語った言葉をお届けする。

 * * *
 岡本信人といえばホームドラマなどでの日常的な役柄のイメージが強いが、一九八二年に始まる『人形劇三国志』(NHK)では曹操・董卓といった悪役ポジションの権力者の声を憎々しく演じる一方、周瑜のような二枚目も演じ、驚かせてくれた。

「なんで私なの、と最初は思いました。ありがたかったですね。曹操をやらせていただきながら、敵の周瑜もやったわけですから。

 声を変えたりしながら、自分なりにいろいろ工夫をしました。自分自身が出ていない本当の意味での『お芝居』みたいなことをしたと思います。声だけで出ていたからできたんじゃないですかね。くさくても、それらしくやればいい──みたいなところがありますから。

 ですから、上田吉二郎さんの『てめえらっ!』って声をマネしてみたりもしましたよ。人形の顔が素敵だったから、自分もその気になっちゃったんです」

 尊敬する役者として挙げたのが、森繁久彌だった。

「十歳くらいの時に森繁さんの『社長』シリーズを観て大笑いしていたんですよね。存在感が大きい方でした。『社長』だと脇に三木のり平さん、小林桂樹さん、山茶花究さん、フランキー堺さん──普通なら食われてしまいそうな人たちばかりいます。ところが森繁さんは『どうぞお入りなさい』みたいな感じで鷹揚に構えている。そういう大きさがありました。

 しかも、凄くおかしい喜劇なのに全くわざとらしくない。ギャグじゃなくて人間の機微の面白さなんですよね。そういうのを観て育ったもので、いつの間にか僕もそこを目指しているみたいなところはあります」

関連キーワード

関連記事

トピックス

二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
M-1での復帰は見送りとなった松本(時事通信フォト)
《松本人志が出演見送りのM-1》今年の審査員は“中堅芸人”大量増へ 初選出された「注目の2人」
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン