時に、腐敗した肉を口にし、ウイルスに感染する恐怖心を抑えながら「ブタの生き血」を飲み、「皮膚病で指がかなりただれている人から手づかみで食物を渡された時も、その場で口に入れ」てきた。70年の大阪万博では、オセアニア地区担当として「人類の根源的なエネルギー」を象徴する仮面と神像を収集。いまある国立民族学博物館の基礎も築いている。
人懐っこいユーモラスな性格に引き寄せられた著名人も多い。作家の小松左京とは、「死んだら片股を贈呈すると遺言状に書くこと」を約束。それを「生ハムに加工して食べる」つもりが、遺言状は残されていなかった。失敗を恐れて縮こまるのではなく、「おもろい」を追求する自由が人生を豊かにすることを教えてくれている。
※週刊ポスト2019年11月1日号