ビジネスホテルと旅館の融合をイメージした「御宿 野乃」
実際に「天然温泉 凌雲(りょううん)の湯 御宿 野乃 浅草」へ取材に出向いてみた。浅草寺や花やしきにも近く温泉旅館風情も溶け込む立地だ。
まず驚くのが靴を脱いで入館する全館畳敷きの館内であること。エントランスから早くも旅館の風情が漂い、ビジネスホテルであることを忘れてしまいそう。エレベーターにも畳が敷かれており、客室も当然のように畳敷きとなっている。とはいえベッドやテーブル&チェアなどホテルライクな快適性も備えている。
温泉はこれまでのドーミーインを陵駕するような充実の内容。泉質はナトリウムやマグネシウムが含まれ白いタオルが染まってしまいそうなほど濃厚な褐色の湯。ドーミーインは大浴場に加えサウナや水風呂なども人気だが、こちらにも男湯には内湯、外気浴、壺風呂、ドライサウナ、水風呂が、女湯には内湯、外気浴、壺風呂、ミストサウナが配されている。脱衣所やその他設備、動線などをとってみてもこれまでのドーミーインをさらに極めた感があった。
「御宿 野乃」の温泉は本格的な温泉旅館の風情
すっかり温泉旅館にいるような錯覚に陥るが、夜鳴き蕎麦を食べた瞬間、ドーミーインにいることを思い出す。
ドーミーインに限らず、温泉にフィーチャーするビジネスホテルチェーンも増えてきたが、差別化とコモディティ化は繰り返されるもの。旅館の風情とビジネスホテルの融合を図ったドーミーインの新機軸は、どこまでその優位性を保つことができるか。