栃木県足利市に“奇跡の保育園”と呼ばれる認可保育所がある。その名も「小俣幼児生活団」。園児は、自ら考え決断できる、自立した子供に育つと評判で、入園希望者が絶えない。
この保育園で現役で働く、92才の保育士・大川繁子さんには保護者や保育に関心がある人々から質問が絶えない。68才専業主婦からもこんな質問が寄せられた。
「子供に任せて自由な教育をといっても、食事時間や寝る時間は大人がきちんと決めて守らせないと、小学校に入ってから、朝、きちんと起きて遅刻せずに学校に行くなどのルールを守れない人間になりませんか?」
大川さんはこう答える。
「確かに生活のリズムを覚えてもらうのは大切なこと。うちの園でも、年長の5才児になると、『早寝早起き、朝ご飯』の習慣をつけるよう、保護者に指導しています。というのも、朝起きてすぐは頭が働きません。小学校が始業する8時に覚醒させるなら、その2時間前の起床が理想。それには、夜は遅くとも21時か22時には寝かせたいですね。
また、朝は脳が酸欠状態。炭水化物を食べさせることで脳に血液が行きわたるので、朝ご飯も大切です。とはいえ、これらを強制するのではなく、“保育園は遊ぶところだけど、学校は勉強するところ。勉強するための準備をしてみない?”というふうに提案しています」
※女性セブン2019年12月5・12日号