そこまでいけばマンションが使えないので、玄関からの退去を要求できます。ただし、共同生活に著しい障害になる例としては、騒音やペットの悪臭などであり、佇立行為がこれに当たるというのは余程の場合です。必要な手続きも簡単ではなく時間もかかります。
Aが特定の住民に待ち伏せや立ち塞がりなどを繰り返して不安にさせていれば、迷惑防止条例違反になる可能性があります。その場合、6か月以下の懲役か50万円以下の罰金で処罰される犯罪です。
Aの佇立が特定の人を相手にしたとはいえなくても、異様な行動に不満を覚える他の住民と険悪になっていれば、喧嘩など暴力沙汰が起きる心配もあります。事前に警察に相談することも有効です。
【プロフィール】竹下正己●1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2019年12月13日号