本誌・週刊ポスト(12月13日号)の特集『この薬を飲んだ後に患者が死にました』に対して、編集部の電話には「掲載されたリストにはないが、自分が飲んでいる薬は大丈夫か」といった問い合わせが相次いでいる。
そこで、「あなたが飲んでいる薬」が、引き起こした疑いのある重篤な症例の調べ方を紹介する。
厚労省が所管するPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)のホームページでは、医療関係者から寄せられた約60万例の「副作用報告」が公開されている(2019年7月現在)。その膨大な症例の中から、自分が服用している薬の症例を調べる手順を、別掲の図4枚にまとめた。
最大のポイントは、「何の症状が出たのか」の内容だ。一見しただけではどのような疾患なのかはわからないものもあるので、個別に医師や薬剤師に相談の必要がある。
ただし、薬の種類ごとに、起きやすい重篤な副作用はある。代表的なものについて銀座薬局の薬剤師・長澤育弘氏が解説する(以下「」内全て長澤氏)。
「高血圧、高脂血症、糖尿病など、生活習慣病の治療に用いられる薬全般で、別掲図に『アナフィラキシー反応(ショック)』『肝機能障害』とあることが多いと思います。
アナフィラキシー反応は薬に対するアレルギー反応。初めて飲んだ薬でじんましん(薬疹)やめまいが生じるケースが多い。肝機能障害のなかでも、より重度な『劇症肝炎』となれば生存率は2割。もともと肝臓が弱っている人、普段からアルコールを摂取している人は要注意です」