降圧剤では「間質性肺炎」の症例が少なくない。
「肺組織に無数の炎症が起こり、呼吸困難に陥る。空咳が止まらないのが特徴です。薬を飲み始めて数年たって、ある日突然『なんか息苦しいな……』と症状が現われることがあります」
高脂血症薬では「横紋筋融解症」がある。コレステロールの数値が下がりすぎて、筋肉が溶けていく。溶けた筋肉が血液を通じて腎臓に詰まると、腎機能障害を起こし、腎不全になって死亡するケースもある。
「高脂血症薬を複数服用している人は発症リスクが高い。筋肉痛が起こり、尿がオレンジ色になったら、薬を飲むのをやめてすぐに病院へ行きましょう」
糖尿病薬では、別掲図の例のような「乳酸アシドーシス」がある。
「乳酸アシドーシスでは食欲不振、吐き気、のどの渇き、体の節々の痛み、ひどい場合は呼吸困難になる。解毒しないと死に至るので、症状が出たらすぐに医療機関を受診してください」
もちろん、ここで解説した疾患以外のものが、あなたの飲む薬の服用後の症例として記載されていることもあるだろう。
「自己判断で服用をやめるのでなく、医師や薬剤師に納得いくまで説明を求めましょう」
※週刊ポスト2019年12月20・27日号