◆副作用にも理解を
もちろんED薬は薬品である以上、副作用のリスクがある。
「ED薬は血流をよくするため、頭痛やほてりなどを伴います。また、抗生物質に比べると稀ですが、アナフィラキシー反応を起こす可能性があります。薬疹が出たり、アレルギー反応で血尿が出た場合は、すぐに服用をやめてください」(銀座薬局の薬剤師・長澤育弘氏)
もうひとつ、起こりやすいのが「射精障害」だ。勃起力が増す一方で、射精に至りにくくなるケースがある。なかなか満足感が得られず、自身もパートナーも苦痛に感じる場合がある。
「薬による副作用だと考えられるので、そうした症状がみられる場合、他のED薬に変えたり、飲む量を減らすなどの対処をしますが、飲む量を減らすと、今度は勃起しなくなることもある。その兼ね合いは難しい」(入江医師)
入江医師は、少しずつ処方する薬の量を減らしていくやり方で対応しているという。
「例えばレビトラやシアリスにはそれぞれ10mgと20mgの錠剤がありますが、20mgをいきなり10mgにするのではなく、15mgにしてみる。その場合、薬を割って服用してもらうので、薬の保管方法も指導します。薬は全面をコーティングされているので、割ってしまうと断面が劣化しやすくなり、2~3か月しか持たなくなるからです」(入江医師)
ED薬をインターネットを通じて個人輸入したり、代行業者から購入するケースもみられるが、薬の品質が保証の限りではないうえ、医師からの適切な指導も受けられないリスクは大きい。
きちんとクリニックを受診し、医師と相談することで、より自分に合ったED薬に辿り着きやすくなるはずだ。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号