ライフ

プログラミング学び始めた息子に行動を論理的に説明する変化

2020年必修化を見越して2016年に開催された小学生向けプログラミング教室(時事通信フォト)

2020年必修化を見越して2016年に開催された小学生向けプログラミング教室(時事通信フォト)

 いよいよ今年2020年以降に施行される新学習指導要領において小学校でのプログラミング教育が必修となる。なぜ今プログラミング教育が必修化となったのか、また子どもたちはどのように学ぶことになるのかご存知だろうか。何か家庭で取り組むべきことは? 元小学校教員で自身も子どもに対して家庭でプログラミング学習に取り組ませているITジャーナリストの高橋暁子さんが、プログラミング教育の実態と目的、家庭でできる取り組みについて解説する。

 * * *
「うちの子はプログラマーにならないから、(プログラミング教育は)必要ないと思うんですけど……」。小学生の保護者からそのような言葉を聞いたことは何度もある。プログラミング教育を学ぶ意義がわからない上、子どもに質問されても答えられないと、不安を抱く保護者も多いようだ。

 実は、「プログラミング」という科目が導入されるわけではなく、あくまで教科学習内で取り組むこととされている。それゆえ小学校段階では、いわゆるプログラミングでイメージするようなコード(プログラミング言語)を書くことはしない。

 プログラミング学習に使う教材も、ビジュアル型プログラミング言語「スクラッチ」などを使った、命令が書かれた日本語ブロックを組み合わせるタイプのものがほとんど。「ずっと~」「もし~なら~でなければ」「◯歩動かす」「~と◯秒言う」などの構文があらかじめ書かれた日本語ブロックをパズルのように動かし、文章を組み立てればプログラムできるようになっているのだ。

 つまり、プログラム言語を覚えることではなく、あくまでプログラミング的思考、つまり論理的思考力を身につけることを目的としているというわけだ。プログラマーなどにならなくても、問題解決につながる論理的思考力が必要なことには異論ないだろう。

 基本的にはプログラミング技術へ直結させるための教育ではないが、子供たちの将来の可能性を広げるのは間違いない現実もある。2016年6月に発表された経済産業省の調査によると、IT系人材は90万人に対して約17万人不足しており、さらに不足数は拡大する見込みとなっているからだ。

 世界的に見ても、イギリスやフィンランドなど、義務教育段階でプログラミング学習を導入している国が増えている。基礎学力のひとつとしてプログラミングに親しんだり、論理的思考力をつけることは、これからの時代を生きていく子どもには必要なことなのだ。

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン