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NHK大河ドラマは「継続すべき」か「役割を終えた」のか?

「いだてん」の視聴率は振るわなかった

 2019年NHK大河ドラマ『いだてん』は、様々な最低記録を更新した大河ドラマだった。最終回(12月15日)の平均視聴率は大河史上最低の8.3%。1年間の期間平均も8.2%と初の1ケタだった。初回からしばらくは二桁視聴率だったものの、いったん1ケタに転落すると二度と戻らず、全47話のうち42話で1ケタ視聴率を記録し続けた。

 あまりの不調ぶりに、もう大河ドラマというフォーマットが古いのではないかという声も聞こえてきたが、リアルタイム視聴率が不振の一方で、SNSなどでの盛り上がりぶりはかなり高かった。大河ドラマは今後も「継続すべき」か「役割を終えた」のか、代表する論客に聞いた。

●碓井広義氏(上智大学教授メディア文化論・継続すべき派)

碓井広義氏は「継続派」

 熟練の大河スタッフによって積み重ねられた知恵や技術は、一度途絶えてしまえば、復活は非常に難しい。打ち切りは簡単でしょうが、60年近い歴史がある大河を終わらせることは、視聴者にとってもテレビというメディアにとっても大きな「文化的損失」です。

 大河ドラマの醍醐味は、歴史上の人物群像との出会いであり、彼らが生きた時代を体感することにあります。それは一種のタイムトラベルであり、時空を超えた壮大な留学体験だと思います。現代でも1年の放送期間が長すぎるとは思いません。

 戦国時代や幕末など、同じ人物が何度も取り上げられているという批判もありますが、作品によって人物像や史実の解釈が違う点も大河の魅力です。「歴史ドラマの総本山」として今後も残してほしいですね。

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