体験取材などでおなじみの女性セブンのアラ還名物記者“オバ記者”ことライター・野原広子(62才)が、世の中で起きた様々な事件に、思うがままに意見を発信する。今回のテーマは“ドコモ「クソ野郎」メモ事件”における、外面について。
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「おいおい、そりゃあないって」と、人目もはばからず声をあげそうになることがある。“ドコモ「クソ野郎」メモ事件”がそれ。
1月6日、千葉県に住む男性・Aさんが、携帯電話の機種変更をしようとドコモショップを訪れた。その時、販売員から手渡された3枚の用紙の中に、「クソ野郎」「親が支払いしてるからお金に無トンチャク」などと、客を侮辱する手書きメモがあった。販売員の不注意で内部資料を、いちばん見せてはいけない客に見せてしまったわけ。
と、ここまでなら、ありそうな話よ。驚くのはこの後。「クソ野郎」と書いた本人、店長が「私がメモを書きました」と出てきて、へらへら笑いながら謝罪の言葉を述べた。そして「うちの社員にも同じような人間がいて、その人間のことを『クソ野郎』って呼んでいるんです」と。
その後、「保身のため、嘘をつきました」と訂正したが、Aさんは謝罪とは受け取れず、その場でドコモ本社に苦情の電話をかけるために電話番号を聞いたという。
私が不安になるのはこの先。一介のショップ店長の不始末が本社にバレたら“首が飛ぶかも”と普通は思わない? 私が店長なら、泣いて土下座をして客に許しを請うって。でも彼はそうはせずに、コールセンターの電話番号を教えているんだよね。
その後、このいきさつがツイッターで拡散され、炎上。事件から1週間後の13日、テレビ朝日系の『羽鳥慎一モーニングショー』が取り上げ、ドコモ側から「担当者」という男性が3人並んで出てきた。そして事の顛末を説明したんだけど、こんなひどいお詫びは見たことないわ。
まずメモを書いた店長を「普段は問題を起こすような人間ではない」とした上で、「たまたま、たまたま、ああいうことをしてしまった」だって。当の店長はAさんに電話で謝罪してきて、「誹謗中傷するメモを、普段ではないが今までも何度か使ってしまった」と言っていた、と番組は伝えている。
「たまたま」じゃねーじゃん。
どんな会社だって、とんでもない社員はいるし、不祥事はある。そうなった時、ジタバタするのが組織というものでしょうが。なのにドコモはその気配すらない。逆に、炎上に油を注いでいる。「正直者であれ」って、もしかしたらドコモの社訓なのかしら。