国内

ドコモ「クソ野郎」メモ事件に見る「外面」を守る重要性

オバ記者がドコモ「クソ野郎」事件を語る(写真はイメージ)

 体験取材などでおなじみの女性セブンのアラ還名物記者“オバ記者”ことライター・野原広子(62才)が、世の中で起きた様々な事件に、思うがままに意見を発信する。今回のテーマは“ドコモ「クソ野郎」メモ事件”における、外面について。

 * * *
「おいおい、そりゃあないって」と、人目もはばからず声をあげそうになることがある。“ドコモ「クソ野郎」メモ事件”がそれ。

 1月6日、千葉県に住む男性・Aさんが、携帯電話の機種変更をしようとドコモショップを訪れた。その時、販売員から手渡された3枚の用紙の中に、「クソ野郎」「親が支払いしてるからお金に無トンチャク」などと、客を侮辱する手書きメモがあった。販売員の不注意で内部資料を、いちばん見せてはいけない客に見せてしまったわけ。

 と、ここまでなら、ありそうな話よ。驚くのはこの後。「クソ野郎」と書いた本人、店長が「私がメモを書きました」と出てきて、へらへら笑いながら謝罪の言葉を述べた。そして「うちの社員にも同じような人間がいて、その人間のことを『クソ野郎』って呼んでいるんです」と。

 その後、「保身のため、嘘をつきました」と訂正したが、Aさんは謝罪とは受け取れず、その場でドコモ本社に苦情の電話をかけるために電話番号を聞いたという。

 私が不安になるのはこの先。一介のショップ店長の不始末が本社にバレたら“首が飛ぶかも”と普通は思わない? 私が店長なら、泣いて土下座をして客に許しを請うって。でも彼はそうはせずに、コールセンターの電話番号を教えているんだよね。

 その後、このいきさつがツイッターで拡散され、炎上。事件から1週間後の13日、テレビ朝日系の『羽鳥慎一モーニングショー』が取り上げ、ドコモ側から「担当者」という男性が3人並んで出てきた。そして事の顛末を説明したんだけど、こんなひどいお詫びは見たことないわ。

 まずメモを書いた店長を「普段は問題を起こすような人間ではない」とした上で、「たまたま、たまたま、ああいうことをしてしまった」だって。当の店長はAさんに電話で謝罪してきて、「誹謗中傷するメモを、普段ではないが今までも何度か使ってしまった」と言っていた、と番組は伝えている。

「たまたま」じゃねーじゃん。

 どんな会社だって、とんでもない社員はいるし、不祥事はある。そうなった時、ジタバタするのが組織というものでしょうが。なのにドコモはその気配すらない。逆に、炎上に油を注いでいる。「正直者であれ」って、もしかしたらドコモの社訓なのかしら。

関連キーワード

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン