マラソンランナーやサッカー選手が、競技前にバナナを食べることが多いのも、こうした理由からです。もう少し時間があるなら、ヨーグルトやカップみそ汁を口にしましょう。イートインスペースで食べてしまえば、ほんの数分で済むはずです。
朝食を抜くと自律神経が乱れると言いましたが、一度乱れた自律神経をリカバリーするのは容易なことではありません。結果、その日は乱れたまま終わってしまうこともあります。
私は20年近く自律神経の研究に打ち込んできましたが、自律神経の働きが、あらゆるパフォーマンスの向上や健康において、きわめて重要なキーになっていることが明らかになってきました。
◆アスリートたちに教える「最高の食事術」の結論
「今日は何をやってもうまくいかないな……」こんな日ってありますよね? 静かに振り返ってみてください。この日、朝食を食べましたか? もしかして抜いていませんか? 実は、朝食を抜いたことが原因になっていることが多いのです。
仕事の効率だけでは済みません。イライラが高じて周囲との人間関係もギクシャクし、何もかもうまくいかなくなります。逆に言うと、自律神経のバランスを整えることさえできれば、万事OK、というわけです。 たったバナナ1本でもそれができるなら、ほんの少しだけ踏み出す価値は十分にありますよね。
ここで誰でも簡単にできる「最高の食事術」の結論をお教えしましょう。朝、昼、夕、1日3回、規則正しくバランスの良い食事をおいしく楽しんで食べる。これだけです。
「えっ? これだけ!?」と驚かれるかもしれませんが、いいんです。むしろ、細かくカロリー計算したり、「あれもだめ」「これもだめ」と極端に食事を制限したり、細かくやり過ぎると、かえってストレスを溜め込んで心身に悪い影響を与えると考えています。
私は多くのアスリートや団体に、パフォーマンス向上の指導を行っていますが、最初に勧めるのは、この「最高の食事術」なのです。食生活が整うと、メンタルも安定し、パフォーマンスが発揮しやすくなるのです。