高齢者が敬遠しがちな携帯電話。しかし、昨年3月末には携帯電話の人口普及率が約140%にものぼり、ほとんど「持っているもの」とされる傾向が強まっている。まさに、いまの働き盛り世代には生活の必需品とさえなっている。
そんな背景から家族が高齢者に携帯デビューをさせてみる? と考える傾向も。
では初めてのスマホ、どんな機種を選べばよいだろう。スマートフォンアドバイザーでモバイルプリンスとして活躍し、近著に『しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール』(旬報社刊)がある島袋コウさんはこう言う。
「各社からシニア向けのスマホが出ています。シニアがよく使う機能を厳選して搭載しているので、機能が多すぎて混乱するということは避けられ、スマホになじむにはいいでしょう。
もう1つの方法として、身近な家族と同じ機種を持ち、こまめに使い方を教えてもらうのも、意外な上達のコツ。家族で割引になるサービスが使える利点もあります。高齢ビギナーが家族と使うことを踏まえておすすめなのが『iPhone11』。画面が大きめで写真が高精細。美しい4Kビデオも撮影できます。また『Google Pixel 3a』も操作方法が比較的シンプルで、カメラも上位機種と同等のクオリティー。いずれも価格も手頃です」
ネットを通じて世界につながり、たくさんの可能性が広がるのがスマホの大きな魅力。でも背中合わせに大きなリスクもあるという。
「確かに世界は広がり可能性は無限大だけれど、広すぎて、かえって自分がやりたいこと、必要なことが選べなくなる不自由もあります。また目に入った情報が信頼できるものかどうかわかりにくい。健康情報、投資情報など高齢者を中心に多くの被害が出ている現実もあります」