「検査で白内障と診断されたとしても、“すぐ手術しないと手遅れになる”ということはほとんどありません。それゆえ、どのくらい視力が下がったら手術を勧めるかは、医師によって判断がまちまちです。
患者側としても判断が難しく、あまり早い段階で手術に踏み切ると、たとえば白内障で視力0.9の人が手術して1.0になっても、“あまり変わらない”と満足度は低くなる。手術には感染症のリスクなどがあることも踏まえた判断が必要です」(同前)
平松医師によれば、自身を含め多くの眼科医が「検査で視力が0.7以下に落ちていたら手術を勧める」というが、それも絶対視する必要はないと付け加える。
「両目での視力0.7というのは裸眼で車を運転できる基準です。ただし、人によってはそれ以下でも生活に不便を感じないケースも当然ある。慌てる必要はなく、特殊な状態でなければ自分の生活に支障を感じてから手術という判断をすればいいでしょう」(平松医師)
※週刊ポスト2020年3月13日号