とくに年齢制限はないので、何歳になっても専門医を名乗ることは可能で、運転免許のように高齢だからといって更新の際に条件が厳しくなるわけでもない。
「『臨床検査専門医』は、5年の更新のたびに活動実績を報告書にまとめて提出しなければなりませんが、大半の専門医資格は更新料さえ払えば済んでしまう。不祥事などを起こさないかぎり、資格が剥奪されることはありません。
医師の世界ではその医師の名前、つまり実績で判断されて仕事の依頼がくる。上手いかヘタかを判断するなら、肩書きよりも検査の件数などの実績を見るべきです。最低でも毎年100件以上の検査を行なっていれば、ある程度、経験を重ねているといえるでしょう」(上医師)
最近では、ホームページで年間の検査件数を公開している病院も多いので、参考にしたい。
「例えば内視鏡であれば、検査件数のほかにポリープの切除件数や大腸がんの剥離切除の件数などが確認できるところもあります。その際、単に総件数を見るだけでなく、診察科に何人の医師がいるのかを調べて件数をその人数で割る。もちろん医師によって件数に偏りがありますが、医師1人あたりの件数の目安にはなります」(村上氏)
肩書きだけで医師を選んでしまわないことが重要となる。
※週刊ポスト2020年3月20日号