専業主婦が家庭を支えてきた時代とは違う(イメージ、写真/AFLO)
「ここ数年で自分の気持ちも大きく変わりました。子供が3人になり、時間も気持ちの余裕もなくなり、その上で食事も手作りとなると、本当にしんどいと気づいたんです。振り返ると、ぼく自身、母の料理で思い出に残っているのは、手の込んだ料理ではなく、10分でできるチゲや、インスタントラーメンにキムチを入れて煮込んだもの。
それをみんなで囲んでいたのがすごく楽しかったんですよね。だから、手間=愛情じゃない。愛情を伝える手段は料理以外にもあるし、“何を食べさせるか”ではなく、“誰とどんな雰囲気で食べるのか”が重要なのではないでしょうか」
料理が苦痛だという人に向けてコウさんが提案するのは、まず1品減らしてみることだ。
「ぼくも以前は、朝からパンに卵やウインナーを焼いて、野菜炒めやスープも作ったりしていたんです。でもいまは、頑張らずに朝はパンとチーズだけ。そうしたらある日、息子が目玉焼きトーストを作ってくれた。食べたいものは自分で作るようになるんですね。いろいろやりすぎていたんだなと感じました。
買ってきた総菜や冷凍食品も使いますよ。最近は冷凍餃子を息子と一緒に焼いたりしました」
コウさんが伝えたいのは、“料理を作らなくていい”ではなく、“苦痛に感じている人が無理に作ろうとして、料理を嫌いにならないでほしい”ということだ。
「できる日だけ作って、外食やインスタントの日があってもいい。そうやってメリハリをつけることで料理に対してポジティブにいられると思うんですよ」
大事なのは、“食卓を囲むのが楽しい”とあなた自身が感じられること。それが、家族にとっても、何よりのごちそうになるはずだ。
※女性セブン2020年3月26日・4月2日号