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甲子園『栄冠は君に輝く』作詞者、生涯一度も聖地へ足を運べず

大会歌にもドラマがあった

 生涯で5000曲以上を作った名作曲家の古関裕而は、NHK連続テレビ小説『エール』の主人公・古山裕一(演者は窪田正孝)のモデルだ。古関の作品には数多くの応援歌があるが、夏の甲子園の大会歌『栄冠は君に輝く』もそのひとつ。

『古関裕而の昭和史』の著者で、近現代史研究者の辻田真佐憲氏が言う。

「現在、作詞者は『加賀大介』となっていますが、当初の作詞者は『高橋道子』でした。この曲の歌詞が公募された時、まさか採用されると思っていなかった加賀が婚約者の名前を使って応募した」

 加賀は16歳の時、野球のプレー中のケガで右足を切断。そんな経緯もあってか、生涯一度も甲子園に足を運ぶことはなかったという。

 アルプススタンドでのブラスバンドも甲子園の見どころだが、吹奏楽部員にとっての甲子園は、必ずしも「夢の舞台」ではないようだ。

 スポーツジャーナリストの広尾晃氏が語る。

「夏は吹奏楽コンクールの予選時期と重なります。

 天理高校などの有力校の吹奏楽部員は“コンクールに出場したい”との思いも強い。学校にもよるが、コンクールメンバーに選ばれなかった部員がアルプスで吹いているケースもある」

※週刊ポスト2020年4月17日号

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