休業中にもかかわらず店先に「コドモアツメルナ オミセシメロ」と張り紙された千葉県の駄菓子屋「まぼろし堂」の店主、村山保子さんはこう話す。
「赤い文字が恐ろしくて放火されるのではないかとぞっとしました。休業していることは近所の人には知られているので、誰が一体こんなことを……と不安です」
自粛警察の矛先は休業要請対象施設外にも向かっている。駐車場が満杯になったゴルフ場の様子がワイドショーで報じられるや、「営業するな」という苦情電話が殺到。5月1日には日本ゴルフ協会などが日本民間放送連盟に対し、報道の“自粛”を求める声明を公表した。
なんとも言えない“イヤ~な感じ”を生み出す自粛警察について、近現代史研究者の辻田真佐憲氏はこう指摘する。
「彼らは、不安に駆られたふつうの人たち。不安を助長するばかりのワイドショーやSNSから離れるデジタルデトックスも必要でしょう」
緊急事態宣言の延長が決まり、“イライラの種となる情報”からもソーシャルディスタンスが必要か。
※週刊ポスト2020年5月22・29日号