防衛大の卒業式名物、帽子を投げるシーン(時事通信フォト)

防衛大の卒業式名物、帽子を投げるシーン(時事通信フォト)

 未知のウイルスの脅威に立ち向かうにあたって、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」などに災害派遣されながら感染者を出さなかった自衛隊の任務遂行能力は称賛を浴びてきた。にもかかわらず、特別職国家公務員の自衛隊員として扱われる“身内”のはずの防衛大の学生に対して、ケアが行き届いていないのではないか。防衛大に質した。

「営内(防衛大の敷地内)における全寮制のもと、4月以降は学生に対しては不要不急の外出を禁止し、毎日の検温等など必要な感染防止対策を講じている。帰省を含む不要不急の外出については、防衛大臣指示で『厳に慎む』とされており、その方針に従った措置を講じている」(総務課広報係)

 学生たちのストレス対策については、「専門家などによるメンタルヘルスケア、希望者に対する臨床心理士によるカウンセリングなどを行なっている」と説明したが、自殺未遂が起きていることを問うと、「学生のプライバシーに関することなので、答えを控えたい」とするのみ。問いを重ねても、「いずれにしても、新型コロナ感染に関するストレス軽減に努力しているということ」と答えるばかりだった。

 全国の多くの大学がそうしているように、オンライン授業に切り替えれば学生たちをストレスに満ちた環境から解放できるはずだが、「現行の学内のシステムとしては、オンライン授業を行なうのに十分な機能が備わっていない」(同前)ことを理由に、実施される見込みはないという。

 学生たちの授業訓練は、5月6日まで停止された後、同7日以降は課題を提出させる形式で徐々に再開させているという。防衛大側は「時期は検討中だが、公共交通機関を利用していない教官による対面授業を順次再開していく予定だ」と説明した。ただ、防衛大の“正常化”はまだ遠そうだ。別の防衛大関係者が語る。

「対面授業の再開に向けて教官たちにあった説明では、授業冒頭で課題を出した後に教官は速やかに退出して、学生たちだけで課題に取り組んだ後、最後に教官が戻ってきて退出などの指示を出すやり方だという。教官と学生の接触時間が連続15分以上ないようにとのことで、これでは対面授業というより自習。学生が置かれている異様な環境は、ほとんど変わらないのではないか。オンライン授業のほうがよっぽど有意義な時間になる」

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