国内

不正融資&天下りの温床・商工中金 コロナ貸付で焼け太りか

遠のく民営化(時事通信フォト)

 政府の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」は、予算総額が100兆円を超える大規模なものとなった。

 主なものは事業継続のための給付金で、商工中金(商工組合中央金庫)も中小企業を対象にしたコロナ特別貸付を開始した。

 商工中金は、経済環境の大きな変化や大規模災害の際に中小企業へ貸付を行なうなどの「危機対応業務」を任務の1つとする“半官半民”の金融機関だが、2017~2018年に組織ぐるみの不正が次々と発覚。融資対象ではない企業にまで貸付を行なっていた。金融ジャーナリストの森岡英樹氏が事件の背景を解説する。

「商工中金は小泉改革で民営化方針が出された後、2008年に株式会社化され、政府と民間両方が出資する半官半民になった。完全民営化の圧力が強まるなか、長らく経産省や財務省の天下り先だった場所を“死守”するため、役員らは組織の存在感を高めようとした。そこで末端の職員に無理な融資のノルマを課した」

 不正発覚当時の社長は元経産事務次官だった。事件後、「完全民営化を急ぎ、経営陣を刷新すべき」という批判が相次いだため、民間出身の社長を受け入れ、2022年に完全民営化を目指すことを発表した。

 段階的措置として、2018年から業務の対象を「大規模災害の被災企業への融資」に限定していたが、今回、新型コロナを“奇貨”として中小企業への特別貸付を拡大。コロナ融資の実績は、5月15日時点で5839億円に達している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン