スポーツ

競馬新聞用語「詰め甘い」「様子見か」「近走不満」などの味わい

競馬新聞には独特の表現が多数登場する

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない夢の馬券生活。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、競馬新聞用語とも言うべき短い常套句の数々についてお届けする。

 * * *
 競馬に大切なのはセンスである。目黒考二さんのエッセイを読み返せば、その部分に自分で線を引いているではないか。当時からセンスがなかった! 馬を見る。メンバーの関係性を考える。レース展開を読む。馬券をどう買うか。すべてがセンスなのだった。

 それは金曜日の午後3時ごろから始まる。いそいそとコンビニへ。どの新聞に手を伸ばすかもセンスだ。当日のパドックや返し馬を凝視できにくい昨今、新聞の情報こそが重みを増している。

 成績や調教時計といったファクトは同じなのに、各紙の論調は微妙に違う。で、この機に比較してみた。いつも買う競馬紙ともう1紙。それから翌朝にスポーツ紙3紙。読むだけでも一苦労だけど、これが無類に面白い。

 新聞用語とも言うべき短い常套句。積年練られているだけにセンスに溢れている。どちらかというと厳しい評価のほうに妙味がある。「詰め甘い」「目立たず」「様子見か」「まだ無理」などなど。「成績不振」「近走不満」なんて、馬柱を見れば分かるよ。要するに「馬券に絡みそうにない」との意を多彩に表現している。

 同じ馬についても見解は異なる。A紙は「少々見劣り」、B紙は「不気味だ」。不気味というのは誉め言葉で、印組を脅かしそうな点で存在感がある。別の馬では「どこまで」と「善戦止まり」。疑問に答えている(笑)。正反対の例では「ここでは」と「軽視禁物」。人気薄の逃げ馬には「逃げても」と「流れ一つ」。なんか可笑しい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン
松嶋菜々子と反町隆史
《“夫婦仲がいい”と周囲にのろける》松嶋菜々子と反町隆史、化粧品が売れに売れてCM再共演「円満の秘訣は距離感」 結婚24年で起きた変化
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
《実は既婚者》参政党・さや氏、“スカートのサンタ服”で22歳年上の音楽家と開催したコンサートに男性ファン「あれは公開イチャイチャだったのか…」【本名・塩入清香と発表】
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト