としまえんの目の前にある豊島園駅。駅前にはアミューズメント施設が並ぶほか、閑静な住宅街にもなっている
こうしたレジャースポットが点在していることに加え、豊島園駅の周辺はここ数十年で宅地化が進んだ。宅地化により沿線人口は増え、そこに居住する住民たちが豊島線を通勤・通学路線として利用している。動線としては、池袋駅方面の利用者が多い。そうした背景もあり、
「としまえん閉園後も豊島園駅?池袋駅間を走る直通電車をなくすことは検討していません。また、運転本数を減らすなどの話も出ていません。仮に運転本数を減らすにしても、ダイヤ改正のタイミングになると思いますが、今のところダイヤ改正の予定はありません」(同)
今年、としまえんは最後の夏を迎える。コロナ禍でいったん営業を休止したものの、現在は営業再開した。夏休みはかきいれ時ではあるものの、「密を避けるために入園者は通常時の半分ぐらいまでに制限しています」(豊島園広報部)という。
回転木馬のカルーセルエルドラドやジェットコースターのサイクロン、アドベンチャーゾーンのアフリカ館など、としまえんにはたくさん思い出が詰まっていることだろう。それだけに、別れを惜しむファンが最後に押し寄せることも想定される。コロナ禍において、それを阻む入園制限は仕方のない措置ではある。
としまえんの閉園で周辺からにぎわいが薄れてしまうことは避けられないが、住民の足・来園者の足として利用されてきた豊島線は、これからも変わらずに走り続ける。