子供が駄々をこねて公園遊びをなかなか切り上げられないときなど、「あと10分だけよ」と大目に見てしまうのもよくないパターン。
「こういう取引はやってはいけません。取引の味を覚えると、子供は、駄々をこねたり泣いたりすれば要求がかなうことを覚えてしまいます。くり返しになりますが、親は粘り強くスルーして、約束の時間通りに行動をすること。育児では親が子供から見てお手本となる姿を見せなければなりません。決まりごともその日の気分次第でまちまちだったり、食事中にダラダラとテレビを見ながらご飯を食べれば、子供もそれに慣れてしまいます。ルールに関してルーズな親のもとではルーズな子供にしか育ちません」
子育ての改善に手遅れはありません
手がかかる、育てにくいと子育てに悩んだとき、いまはネットの情報に答えを求めてしまう人も多い。しかし、「あれこれとアプローチを模索するより、シンプルに考えた方がいい」と松永さんは言う。
「多すぎる情報はかえって頭を混乱させます。小さな失敗などいくらでもありますし、振り返ってみれば些細なことです。大事なのは、1つの方針をブレずに一貫して継続していくこと。そして、子供をひとりの人格を持った人間として尊重すること。そうすれば、どんな子供にも親の真意は必ず伝わります」
自分を責めずに、今日から叱り方を変えてみませんか?
【information】
『小児科医が伝えるオンリーワンの花を咲かせる子育て』
松永正訓/文藝春秋/1430円
33年間にわたり、さまざまな難病や発達障害を抱えた子供たちと多数向き合ってきた松永正訓さんが贈る初の育児書。子供を尊重する「オーストラリア式」声かけなど、育児の壁にぶつかって「育てにくい子だな」と感じたときにこそ読みたい一冊。
※女性セブン2020年8月13日号