6月は“毎年絶好調”というデータも(時事通信フォト)
ドジャースの大谷翔平(30)の勢いが止まらない。ダイヤモンドバックス戦(現地時間5月19日)で6回にソロ本塁打を放ち、両リーグトップの17本目となった。自身初の5月10本塁打で、打点(21)、OPS(1.286)も両リーグで月間トップの成績だ。
スポーツジャーナリストで、『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2025』編著者の友成那智氏が言う。
「5月は打球角度が上がってきました。好調ぶりを裏付けるのが4月には少なかった逆方向のレフトへのホームランですね。4月は球が上がらずに三塁打になるシーンも見られたが、5月からはホームランになっている。
調子は右肩上がりで、強いチームと対戦してもホームランが出ています。このままいけば、キャリアハイとなった54本塁打を大きく超える数字が残せるのではないか」
そうして期待が膨らむのは、「6月」に強いとされているからだ。プロ野球を客観データで分析した『データ・ボール』などの著書があるスポーツジャーナリスト・広尾晃氏が言う。
「大谷はメジャー2年目以降、6月に好成績を挙げるようになっています。昨年は5月の7本塁打に対して6月には12本塁打、一昨年は5月の8本塁打に対して6月は15本塁打になった。今年はすでに5月に10本塁打ですから、同様に伸ばせばもの凄い数字になる。メジャーの月間最多本塁打記録であるサミー・ソーサ(カブス)の20本(1998年6月)さえ見えてくるのではないかと期待してしまうのです。
今季は当初、打球最高速度が上がらないことが懸念されましたが、ここへきてMLB全打者中3位の190km/hを記録。5月19日のダイヤモンドバックス戦では、左方向への本塁打も打ち、打点も増えるなど、懸念材料がほぼすべて一掃されています。6月も好調を維持するとすれば、今季の本塁打は60本に迫る可能性があります。怖いのはケガだけでしょう」