さらに遠山氏は、大谷の唯一無二である“二刀流”が復活のハードルを上げていると指摘する。
「野手は太い筋肉や強い筋肉を必要とするが、投手に必要なのは繊細な筋肉です。肩や肘の関節周りの細かな筋肉を鍛えないと肘を痛めますからね。私も、野手から投手に戻るために1年間かけて筋肉を変えました。チーム事情が許すなら今年は打者として出場するのがいいと思います」
打者として出場する際に大切なのは、守備につくことだという。遠山氏が続ける。
「外野守備をこなしていけば肩は衰えません。私はロッテを自由契約になり、阪神の入団テストを受けました。野手として受けたが、外野からの返球が真っスラ(ストレートがスライダー変化する)だったことなどから、投手として復帰することになった。翌年、野村克也監督が就任されてからは左打者へのワンポイントリリーフに起用されましたが、肩が衰えていなかったからこそ活躍できたと思っています。
テスト入団の私にとって最後のチャンスだったので、“何でもやります”という気持ちもプラスに働いたのでしょう。大谷もメジャー2年間で結果を残しているとはいえ、今季は“打者だけでもやります”という気持ちでやるほうが完全復活に近づくのではないでしょうか」