著名人たちが実践するダイエット法は、簡単そうに見えても実際はかなりハードな運動だったり、体を壊す恐れのある方法だったりと、過激であることが少なくない。
最近、話題になっているのが、榮倉奈々(32才)が実践した「水ダイエット」だ。映画『糸』の役づくりのため、2週間で7~8kgの減量に成功したが、その方法は、筋力トレーニングで筋肉をつけた後、食事を制限しながら、多い日は12リットルもの水を飲むというもの。
一見、単純な方法にも見えるが、榮倉は自身のインスタグラムで、
《一人一人違うプログラムですし、私の身体に合わせた内容を組んでもらって、監修の元、行なえた撮影の為の減量です》と、専門家の指導の下で実践したことを強調した。
そもそも、なぜ「水を飲む」ことでやせるのか。これは“代謝がよくなる”からだという。
「ミネラルウォーターなどに含まれるマグネシウムやカルシウムといったミネラルは、代謝の邪魔をする重金属などの老廃物の排出を促します。それによって基礎代謝が上がり、脂肪も燃焼され、やせやすくなるのです」(脳神経内科医でマインドフルへルス代表の山下あきこさん)
「水ダイエット」を実践するなら、その量や飲み方にも注意が必要だ。むやみに大量の水を飲むと、逆に体調が悪化しかねないという。マブチメディカルクリニック院長の馬渕知子さんはこう解説する。
「人間の体は、発汗や腎臓の働きによって水分量が一定に保たれており、余分な水分は尿として排出されています。しかし、個人差はありますが、1時間に1リットル以上の水を飲むと、腎臓の働きが追いつかず、体内の水分量が急激に増えてしまう。すると、血液中の塩分やミネラルの濃度が通常よりも下がり、めまいや意識障害、嘔吐などの症状が起こる“水中毒”になる危険性があります」
代謝アップに適した水の摂取量は、1日当たり「体重(kg)×約40ミリリットル」だそうで、例えば50kgの人なら2リットルが目安になる。さらに、一度に大量に飲むのではなく、少量ずつこまめに、塩分などを摂取しながら行いたい。
もうひとり、「最近、やせた」といえば、「新型コロナ」で連日テレビにひっぱりだこの白鷗大学教授・岡田晴恵さん(57才)だろう。感染症学・公衆衛生学などの専門家ながら7月1日付で大手芸能事務所「ワタナベエンターテインメント」に所属。出始めの頃に比べると、メガネからコンタクトに変え、メイクや衣装も垢抜けてきたといわれているが、体にも変化があったようで、この半年間で10kgもやせたという。
ダイエット法が気になるが、彼女が言うには、「多忙ゆえ」だそう。岡田さんが出演した番組数は2020年上半期だけでなんと267本。たしかに「超」がつくほどの忙しさだ。
「忙しくて食事をとる時間もないのかもしれませんが、きちんと食事を摂っていても頭を使っている人は、糖質を消費するのでやせやすい。また、他人から注目されると自律神経が緊張し、体の代謝が上がるので、カロリーを消費しやすくなる。人は“見られるだけ”でやせることもあるんです」(馬渕さん)
いわば「テレビに出ずっぱりダイエット」。2人とも真似が難しい方法だが、彼女たちの“やせぶり”を目標にして、コロナ太り解消に取り組みたい。