中国はもともと食べ残し大国だった(Imaginechina/時事通信フォト)

 そして今日、大雨と洪水は三峡ダムを脅かしただけでなく、農地にも甚大な被害をもたらした。今の中国は、食糧を輸入する資金力と物流を持っているから、すぐに飢餓が起きるとは考えにくいが、食糧価格はじわじわと上がっており、今後も悪化が見込まれる。上掲記事はこう続ける。

《中国国家統計局によると、今年7月の中国の食糧物価は昨年より10%高い。コロナ問題による国際貿易の混乱は多くの食品のサプライチェーンを遮断した。

 近隣諸国との関係も悪化しており、主要な輸入元であるアメリカ、オーストラリアとの関係も悪い。食糧安全保障の危機に、洪水が重なった。南部では広大な農地が破壊され、さらにイナゴの大群にも対処しなければならなかった。》

 私の推測では、習氏は、貿易交渉から南シナ海の領有権、台湾問題まで、これからも様々なテーマでトランプ政権に圧力をかけたいと考えている。が、その結果、アメリカからの食糧輸入が減ることになれば、食糧問題は深刻になる。食べ残し撲滅運動と反トランプ戦略は、新たな両国の対立を予感させている。

(この記事は「American Thinker」の許諾のもと同サイトの記事を翻訳・要約したものです)
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