コロナ禍での難関校受験のポイント
このように、千葉を除くと入試環境に大きな変化はなく、より伝統校を目指す傾向は強まっても弱まりはしないだろう。あえて2021年度入試の公立トップ校の動向に影響すると思われる要素を1つ挙げるとすると、付属校志向だ。
例年公立トップ校にするか早慶ないしMARCHの付属にするか迷う受験生が多数いるが、2021年度は大学入試が大学によりまちまちで混乱していることもあり、より強く付属校に舵を切る可能性がある。その動きが強ければ、有名私大付属がない千葉以外の都県の公立トップ校は少し易化する可能性がある(千葉の付属系はほとんどが実質進学校)。
2021年度特有のこととしては「出題範囲の限定」もある。1都3県について見ると、東京と埼玉は出題範囲が絞られ、神奈川と千葉は除外が少ないという傾向がある。だが、難関校に進むのであれば「関係代名詞」や「三平方の定理」といった勉強はしておかないと高校入学後にたちまちついていけなくなる。出題されないといっても当然やっておいたほうがいいのである。
また、今年はコロナの影響で部活動での活躍歴や校外のコンテスト・コンクールの受賞歴、各種検定の取得などが例年のようにできなかったと悩む受験生がいるが、来年の受験生はみな同じ条件。そのことを悩むより前向きに受験勉強に集中して、難関校突破を目指していただきたい。