国内

テーマ斬新だった『金妻』 ホームドラマの「水と油」に挑戦

第1作と第3作に出演した小川知子

 1980年代に新しいホームドラマとして、大ヒットしたTBS系ドラマ『金曜日の妻たちへ』(以下、『金妻』)。1983年から1985年にかけて放送された3シリーズが放送され、不倫、既婚女性のセックス観、夫婦の友情などが描かれた。

 これらの物語のテーマや設定は、当時としては斬新なものだった。『金妻』シリーズの脚本を手掛けた、脚本家・鎌田敏夫さんはこう言う。

「そもそもドラマというのは、自分が持っているテーマ、物語の設定が持っているテーマ、その時代の社会状況や視聴者が持っているテーマ、これらが合致しないといい作品にならないんです。1作目では、“夫婦の友情物語”をぼくのテーマとして描きたかった。そして物語の設定としては、“ホームドラマにロマンチックな要素を入れる”という課題を与えられていました」(鎌田さん・以下同)

 登場人物にどんな女性を描こうか考えていたとき、鎌田さんは車の運転をする女性を普通に見かけるようになったことに気づいたという。

「車は発進する、停止する、ハンドルを切る、すべてを自分で判断しなければなりません。これを女性が行うようになった。それまで助手席に乗っているだけだったのに、意思を持って生きる時代になったと感じたのです。こういう時代の“女性”を描くべきだと思いました」

 鎌田さんは自らハンドルを握り、仕事を持つ女性の登場に、夫婦の立場が同等になりつつある萌芽をみた。

夫婦関係に上下差がなくなれば、友達やパートナーといった関係性を成立させる夫婦も出てくるだろう。つまり、社会や家庭での女性の立場が大きく変わる過渡期を、鎌田さんはいち早くとらえ、物語に組み込んだのだ。

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
野球人・江夏豊が球界に伝えておくべきことを語り尽くす(撮影/太田真三)
【江夏豊インタビュー】若い才能のある選手のメジャー移籍は「大いに結構」「頑張ってこいよと後押ししたい」 もし大谷翔平と対戦するなら“こう抑える”
週刊ポスト
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
11月下旬に札幌ススキノにあるガールズバーで火災が発生(右はInstagramより)
【ススキノ・ガルバ爆発】「男は復縁の望みをまだ持っていた」火をつけた男は交際相手A子さんを巻き込んで死のうと…2匹の犬を失って凶行に
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン