多くの女性から支持を集めた
元夫も竹内さんの活躍が安心材料に?
実はこのCMのオンエア期間中、忘れられない思い出がある。2009年、竹内さんの前夫の中村獅童が、私が構成に関わっていた『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)にゲスト出演したときのこと。獅童さんがスタジオ前でマイクを付けるため立ち止まった“前室”のテレビモニターに、ちょうどに竹内さん出演の「ザ・プレミアムモルツ」のCMが流れ始めたのである。
2人の離婚は決して円満なものではなかったように報道されていたため、私を含め、その場にいたスタッフは凍りついたものだ。獅童さんは画面を見上げながら、一瞬、固まったように見えたが、私たちのほうを振り向いて「ねぇ、このタイミングで出てくる?」と笑いながらスタジオに入って行った。晴れやかで力強い元妻の笑顔は、獅童さんにとっても安心材料だったのかもしれない。“大人の二人”の間では“解決”したことなのだと納得したものである。
『資生堂』には、2010年、『ELIXIR WHITE』で”復帰“。『森永乳業』は、独身時代にも出演していたが、離婚後、「MOW」(2011年)や「PARM」(2017年)に出演。『JOMOサービスステーション』(2010年より『ENEOSサービスステーション』)も、結婚直後から出始め、離婚した翌々年まで実に13本も出演している。『モンデリーズ・ジャパン』の「リカルデント」(2011年)も離婚後の契約だった。
繰り返しになるが、ひと昔前なら考えられなかったことであり、現在、シンブルマザーのタレントが「好きなママタレ」としてランキングの上位に選ばれたり、洗剤や紙おむつなどのCMに出てきていることは、シングルマザーになってからも第一線で逞しく輝き続けた竹内さんのお陰と言っていいのではないだろうか。
草なぎ、キスマイ、イモト…さまざまな人と共演
そうかと思えば、『キヤノン』「EOS Kiss M」では、草なぎ剛と香取慎吾が歌うCMソングにのって、草なぎの愛犬。クルミちゃんと共に最高の笑顔で微笑む竹内さんのCMも話題になった。まだ多くのタレントが「新しい地図」との共演を躊躇していた頃の話だったが、竹内さんは軽やかに演じあげた。
そして、2015年から契約している『サンヨー食品』「サッポロ一番」シリーズだ。夫役が劇団ひとり、子供役が寺田心、親友のイモトアヤコが登場したこともあるし、最新CMにはKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔と玉森裕太が出演。9月1日、竹内さんが第2子出産後初めて登壇したイベントも、藤ヶ谷、玉森との共演だった。
その際、CM出演した6年間を振り返り、珍しく家族の話をし始めた竹内さん。誰の目にも幸せそうに映っていただけに、そのわずか26日後に旅立つとは誰が予想できただろうか。
出演作の中でも、CMはリピートされにくいだけに、あえて「竹内結子さん出演のCM」と、広告界における功績について書かせていただいた。御冥福をお祈り申し上げます。合掌。