ビジネス

ホテル激戦区の横浜 新規開業の裏であの老舗がひっそり閉館

ハワイの名門「ザ・カハラ・ホテル」の日本上陸で活気づく横浜のみなとみらい地区(時事通信フォト)

ハワイの名門「ザ・カハラ・ホテル」の日本上陸で活気づく横浜のみなとみらい地区(時事通信フォト)

 新型コロナの影響で、長らく営業自粛や開業延期に見舞われた宿泊業界。Go Toトラベルの東京追加やその他の観光需要喚起策もあいまって、ようやく業界にはポジティブな空気が流れ始めているが、すでにコロナ禍に耐え切れず閉館を余儀なくされたホテルも数多い。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が注目したのは、新旧ホテルの勢力図、明暗がくっきり分かれつつある港町「横浜エリア」だ。

 * * *
 コロナ禍の反動ともいうべきか、ここにきて新規に開業するホテルが相次いでいるが、東京と近郊エリアをみた場合の注目トピックとして挙げられるのが、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」の開業である。カハラホテルといえば、ハワイ・オアフ島の名門ラグジュアリーホテルとして知られる。

満を持して開業した「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」

満を持して開業した「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」

 半世紀以上にわたり世界の要人に愛されてきたホテルであるが、パシフィコ横浜近くという立地に開業した。当初2020年6月17日に開業を予定していたが、コロナの影響で開業が延期、9月23日に開業へこぎ着けた。

 東京から近く、観光都市としてのポテンシャルが高い神奈川・横浜はホテル激戦区でもある。エリアによってホテルカテゴリーに特徴があり、カハラのある「みなとみらい地区」は高級ホテルが建ち並ぶイメージだ。

みなとみらいを象徴する“ホテル三銃士”

 ランドマークタワー高層部にある「横浜ロイヤルパークホテル」、みなみらいの大観覧車前の「横浜ベイホテル東急」、ヨットの帆の形を模した「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」は、横浜のラグジュアリーホテルシーンをリードしてきた“みなとみらい三銃士”ともいるホテル群。そこにカハラが参戦した。

 みなとみらいの発展を共にしてきたこれらホテルは、横浜のホテル界では伝統を確立しつつある存在である一方、ビジネス街である関内地区、京浜東北線の反対側となる伊勢佐木町などにはビジネスホテルが多く立地している。華やかな観光エリア然としたみなとみらいとは対照的なイメージだ。

 とはいえ、夜の繁華街も含めディープな横浜の魅力も堪能できるエリアであり、そんな横浜も楽しみたいという観光客には人気だ。何よりリーズナブルなステイが期待できる。

日本最大級の客室数を誇る「アパホテル&リゾート 横浜ベイタワー」(時事通信フォト)

日本最大級の客室数を誇る「アパホテル&リゾート 横浜ベイタワー」(時事通信フォト)

 ところで、コロナ禍前に横浜のホテル業界で脅威とされてきたのが、2019年9月20日に開業した「アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉」だ。横浜みなとみらいエリアに開業した全国チェーンブランドであるが、日本最大級の“2311室”という数字がニュースを賑わした。

 業界内では「供給過剰に陥るのではないか」という指摘はあるものの、全国各地の観光地で関係者と話をすると、「東京至近であれたけの観光資源がある横浜は羨望の的」だという。

関連記事

トピックス

“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
尹錫悦前大統領(左)の夫人・金建希氏に贈賄疑惑(時事通信フォト)
旧統一教会幹部が韓国前大統領夫人に“高級ダイヤ贈賄”疑惑 教会が推進するカンボジア事業への支援が目的か 注目される韓国政界と教会との蜜月
週刊ポスト
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン