ライフ

ネット上の「いい話」、軽い気持ちでシェアするのが危ない訳

ネットのいい話を盲信する危うさ(時事通信フォト)

ネットのいい話を盲信する危うさ(時事通信フォト)

「ネットde真実」とは、マスメディアの流す情報は信用できず、インターネットで得られる情報がすべて正しいと思い込む行為や、そういった考え方をする人物を揶揄するときに使われる言葉だ。ところが最近は、これが皮肉を込めているという意味が通じない人たちが多勢になりつつある。ライターの森鷹久氏が、ネットによって情報強者になったつもりで危うい状態に陥る人たちについてレポートする。

 * * *
 都内在住の会社員・丸岡俊彦さん(仮名・40代)のランチタイムは今日も憂鬱だ。通勤用のリュックから保温バッグを取り出すと、中から出てきたのはかわいい水玉模様の布に包まれた愛妻弁当である。

「作ってくれるのはいいんですけどね……なんというか、美味しくなくて」(丸岡さん)

 この発言だけ見ると、妻の手作り弁当に毒づくモラハラ旦那だ! と聞こえるかもしれないが、どうも事情が違うようだ。

「若干腹回りがたるんできたというと、毎日の弁当がサラダチキンとブロッコリー、あとは茹でた豆ばかりになりました。たまにスープがつきますが、これも全く味がしません。米も全く食べさせてくれないので、朝、こっそりコンビニのおにぎりを食べないと、糖質不足で頭痛がひどくて」(丸岡さん)

 こうくると、丸岡さんに無理なダイエットを強いる鬼嫁……のように見えるかもしれないが、それともまた若干違う。丸岡さんの妻の趣味は、実は「料理」である。ただし、プロが作った料理本や、料理教室に通ってレシピを学んだのではなく、全て「レシピサイト」頼りなのだという。

「例えば豚肉の生姜焼きを作るなら、普通に作ればいいのに、なぜかバルサミコ酢を必要以上に入れたりして味が台無しになる。うま味調味料が体に悪いという情報をSNSで見ると、一切使わなくなる。プロが教える通りにやっていればいいのに、なぜか余計な工夫をしたがるんです。しかも、その工夫は、どこの誰ともわからないユーザーがネットにアップしたものですよ?」(丸岡さん)

 パソコンやスマホが普及し、ネットインフラが充実したことで「国民皆インターネット」と呼んでも差し支えない時代になった。そのため、こうなる以前は知る機会すらなかった多くの情報に、誰もがすぐにアクセスできるようになった。だが、その弊害と言うべきか、正しい情報を見抜けない人、ここで具体的にいえば「プロより素人を信じてしまう人」が続出している。京都市内の皮膚科勤務、看護師の大島今日子さん(40代・仮名)が嘆く。

「ひどいアトピーのお子さんを持つお母さんがいて、定期的に通院するように言っても、全然通ってくれない。どうも、1~2回通院し、症状が改善しなければすぐ、ネットで調べて別の病院に行く、ということを繰り返しているようなんです」(大島さん)

トピックス

サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
「参政党パワー」の正体とは(神谷宗幣・代表)
叩かれるほどに支持が伸びる「参政党パワー」 スピリチュアリズム勃興の中で「自分たちは虐げられていると不安を感じる人たちの受け皿に」との指摘
週刊ポスト
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこが自宅マンションで亡くなっていることがわかった
遠野なぎこさん死去…「絶縁状態」と言われていた親族が訃報発表に踏み切った事情 知人が明かす「ずっと気にかけていた」本当の関係
NEWSポストセブン
なぜ蓮舫氏は東京から再出馬しなかったのか
蓮舫氏の参院選「比例」出馬の背景に“女の戦い”か 東京選挙区・立民の塩村文夏氏は「お世話になっている。蓮舫さんに返ってきてほしい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン