診断を受ける境目は1か月

 一口にかゆみといってもさまざまな原因がある。糖尿病であれば皮膚科で塗り薬や貼り薬をもらっても一向に治まらないし、マスクのかぶれによる一時的なかゆみなら病院に行かずとも、市販薬で充分対処できる。

 では、どんな場合にどの病院を受診すべきなのだろうか。目安の1つは、「症状が続く期間」だ。

「たとえば頻度の高いかゆみの病気として『じんましん』があります。皮膚の症状は、かいた場所が盛り上がり地図のようにつながっていきます。原因はさまざまで、発症から1か月以上も続くような『慢性じんましん』は、病院の受診をすすめます。施設などで集団発生するダニ感染症は強烈な“かゆみ”が人から人に伝染する病気です。ダニの感染が確認できないときなどは専門の病院を紹介することになります」(亀谷さん)

 どの科にかかればいいのだろうか。きくち総合診療クリニック理事長の菊池大和さんは「まずは皮膚科に行ってほしい」とアドバイスする。

「かゆみの原因は1つではないことが多く、皮膚科にかかっても治まらない場合は、ストレスなど病気以外も疑う必要があります。とはいえ、まずは皮膚科にかかって処方されたのみ薬や塗り薬を使い、1か月は経過を見てください。それでも改善されない場合は別の原因を見つけるために、総合診療医にかかりましょう。特に50代以上はがんの疑いもあるため、すみやかに病院へ行くことをおすすめします」(菊池さん)

 皮膚は「全身の鏡」といわれ、内臓の不調が出てくる場所でもある。体が発するSOSを見落とさないようにしたい。

※女性セブン2020年10月22日号

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