ビジネス

「日本の携帯料金高すぎる」は本当? 品質を考えるのが重要

日本の携帯料金は高すぎる?

 菅政権になってから急速に動き出しつつあるのが、私たちの家計に大きな関係のある「携帯料金の値下げ問題」。そもそも日本の携帯電話の料金はどのくらい高いのか? 発売以来11年間連続完売を記録している『家計ノート』の著者であるカリスマ講師の細野真宏さんに、初歩から徹底解説してもらった。

 * * *
 総務省が日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国の主要6都市における携帯電話料金を比較した調査(電気通信サービスに係る内外価格差調査)の結果を公表しています。この調査で、各国の上位3、4社を使う際に、標準的な「通話は月65分、メール月108通、データ通信量は月2ギガバイト、月5ギガバイト、月20ギガバイト」の場合を調べています。

 東京の場合は、2ギガバイトや5ギガバイトとデータ使用量が多くない場合は「平均的」で、データ量が多い20ギガバイトでは「割高」となっています。つまり、「日本の携帯料金が世界的に高すぎる」というわけではないのです。しかも、この比較は、あくまで各社の基本的な料金を並べたもので、家族割引などの割引サービスや品質がまったく反映されていないのです。

 例えばNTTドコモの場合は、外出先でも動画などのデータ通信が多い人向けの「ギガホ」、メールの利用が中心でデータ通信が少ない人向けの「ギガライト」、家族間の通話無料等の家族割引「みんなドコモ割」を適用している人が圧倒的に多いのです。このプランによって、すでに最大4割程度は携帯料金を下げることができています。ちなみに、NTTドコモは契約者数が一番多いのに、儲けでは「au」や「ソフトバンク」に負けているのです。

 また、携帯電話の「品質」については、ICT総研が同様に日本と海外(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国)との比較調査をしています。日本は「4G接続率」では98.5%とトップになっています。【2位韓国(98.3%)、3位アメリカ(96.1%)、4位イギリス(89.2%)、5位フランス(86.0%)、6位ドイツ(85.8%)】。

 同様に「ダウンロード速度」では、1位の韓国(59.0Mbps)と2位の日本(49.3Mbps)が圧倒的に速く、3位ドイツ(28.7Mbps)、4位フランス(28.6Mbps)、5位アメリカ(26.7Mbps)、6位イギリス(22.9Mbps)を引き離しています。つまり「総務省」の「携帯料金」の比較ではドイツやフランス、イギリスは安くはありましたが「品質」では、安かろう悪かろうで日本に劣るのです。

 このように「携帯料金」を考える際には「お金」と同時に「品質」も併せて考えることが極めて重要になるのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
野球人・江夏豊が球界に伝えておくべきことを語り尽くす(撮影/太田真三)
【江夏豊インタビュー】若い才能のある選手のメジャー移籍は「大いに結構」「頑張ってこいよと後押ししたい」 もし大谷翔平と対戦するなら“こう抑える”
週刊ポスト
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
11月下旬に札幌ススキノにあるガールズバーで火災が発生(右はInstagramより)
【ススキノ・ガルバ爆発】「男は復縁の望みをまだ持っていた」火をつけた男は交際相手A子さんを巻き込んで死のうと…2匹の犬を失って凶行に
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン