「荒川良々さんやクドカンも好きですね。私、お笑いと舞台と雑誌が好きなんです。能町みね子さんにも憧れています。頭がよくてお洒落で。でもこういう人って、仕事柄、私の周りにいないんです。場所の問題もあるかもしれません。今、勤務地に近いという理由で、二子玉川に住んでいるんです。だから、わざわざ下北沢とかに飲みに行って探しているんですが……、面白い人って、ある程度、喋らないと判断できないから時間がかかるんですよね。顔とか年収とか学歴とか、男性をスペックで見る女性って非難されがちですが、私から見たら、そうできたらラクだろうな、うらやましいなって思います」
◆「負けず嫌い」で、仕事はキャリアアップ
実は亜美さん、既婚者と付き合うのは始めてではなかった。20代で知り合って、恋に落ちた人も既婚者だった。
「10歳くらい年上の人でした。友達と飲んでいるときに、まあ、ナンパされたんです。お笑い番組を作ってるテレビ関係の人で、芸人に詳しくて、いろいろ教えてもらって、相性もよかったと思うんです。が、私は結婚願望があったので、5年くらい付き合って、諦めて別れました。結局、年上で面白い人って、だいたい結婚してるんですよね……」
話の合う面白い人は友達にして、結婚相手は別のタイプを探すというわけにはいかないのだろうか?
「うーん。頭ではそういうことも考えたりするんですが……実際、面白い人と結婚できてる人もいるわけじゃないですか。それなのになぜ自分は諦めなければいけないのか、っていう発想をしちゃうんです。負けず嫌いなので」
負けず嫌い──。亜美さんは、「進学校ではない田舎の県立高校」から名古屋の大学へ入り、友人のほとんどが中部地方か地元に戻って就職するなか、単身、東京に出てきた。新卒で入社した会社は「かなりブラックで、面白い人が一人もいなかった」ため、スキルアップを重ね、転職をし、現在は3社目。収入も増えた。興味のある仕事ではないが、苦労して自分の手でつかんだキャリアを大事にしたいという思いも強い。一方で、プライベートは趣味や自分の憧れで満たしたい。
ゆえに、仕事で知り合った人に口説かれてもほとんどなびかず、たまに付き合うことはあっても、長く続かなかった。