今年出版された『政治家の覚悟』(左)と2012年に発行された『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(時事通信フォト)
自費出版といえば、人生の節目に自分の半生や詩歌を本にして家族や友人、同僚に残す―そんなイメージが一般的だ。広く販売して利益を上げる商業出版とは異なり、全額を著者側が提供しているので、基本的に出版社が著者に支払う「印税」も発生しない。閣僚経験者が語る。
「総理の唯一の著書が自費出版だったとは驚きですが、あえて大物政治家が本を出してきた“文藝春秋ブランド”を選んだのは、菅さんのプライドだったようにも感じる」
その単行本は菅氏の総裁選出馬が有力視された頃から“幻の本”として価格が高騰、一時はネット取引で10万円近い高値をつけた。菅氏も会見(9月7日)で「そんなに高くなっているとは」と驚いていたほどだ。新書版が発行された現在も、定価(1300円)の10倍以上の状態が続いている。
※週刊ポスト2020年11月20日号