国内

菅首相 10倍以上に価格高騰の唯一の著書は自費出版だった

菅義偉・首相が自費で本を出版した理由とは

菅義偉・首相が過去に自費で本を出版した理由とは

 菅義偉・首相は国家観を語らない。「テレビに出るのは嫌い。討論番組は絶対出たくない。雑誌にもあんまり載りたくない」。かつてあるインタビューでそう語った。そうした「語らぬ姿勢」は、今国会でも際立っている。

 しかし、菅首相は日本学術会議の会員候補6人を任命拒否した理由一つをとっても、鉄仮面のように表情を変えずに「総合的、俯瞰的観点から判断した」とボソボソ答弁書を読むばかりで、自分の言葉で語ることを拒んでいる。

 国民にはこの首相がどんな国家観の持ち主なのかわからない。それを知る数少ない手がかりが、菅氏にとって唯一の著書『政治家の覚悟』(文藝春秋刊)だろう。10月20日に出版されると、いきなり「新書1位」(トーハン)のベストセラーになった。多くの国民が“言葉が少ない首相”の考え方を知りたいと思っている証拠といえる。

 自民党には、総理・総裁を目指す前に自らの国家観や政策を世に示す著書を出す“伝統”がある。古くは田中角栄氏の『日本列島改造論』、最近では安倍晋三氏の『美しい国へ』が政治家本としてベストセラーになった。

 しかし、『政治家の覚悟』出版の経緯は、他の首相経験者とかなり違う。同書は、菅氏が8年前に出版した単行本『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(2012年3月10日発行)に、官房長官時代のインタビューを追加収録して新書版で再出版した。内容の大半は「総理を目指す政治家の国家観」ではなく、「8年以上前の“自己礼讃”」である。

 何よりの違いは、単行本の制作費用を「菅氏が全額提供していた」という点である。新書の発行が「文藝春秋」なのに対し、単行本の発行元は同社の自費出版部門「文藝春秋企画出版部」だ。出版関係者であれば“そういうことか”と膝を打つかもしれないが、8年前に単行本を手にした読者の多くは「菅さんは、あの文藝春秋から執筆を依頼された」と思っているのではないか。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン