(写真/GettyImages)

腸内環境を改善すると「幸せホルモン」も分泌される(写真/GettyImages)

 その「広大さ」も驚異的なレベルだ。日本人の平均的な大腸の長さは約1.5m、小腸の長さは約6~7mある。これらの腸の内壁をすべて広げると、その表面積はテニスコート2.5面分(約300平方メートル)に達する。

 腸内には約1000種類、約100兆個もの腸内細菌が生息し、おびただしい数の腸内細菌が集まって、「腸内フローラ」という生態系を形成する。私たちの腸内には、健康を司る「細菌のお花畑(フローラ)」が存在するのだ。

 腸内フローラの可能性には、世界中の研究者が熱視線を送っており、その最新事情は『NHKスペシャル』でも《いまや“腸内フローラ”は、人類の寿命を劇的に延ばした「ワクチンの開発」や「抗生物質の発見」に匹敵するインパクトがある》と取り上げられ、大きな話題を呼んだ。

 腸内環境の整備は、メンタルの安定にもつながる。予防医学専門医の関由佳さんはこう話す。

「腸と脳は自律神経でつながっているため、腸内環境が整うと精神的にリラックスできる。また腸内環境がよくなると、“幸せホルモン”と呼ばれる神経伝達物質のセロトニンが腸内で生成されます。だから腸を整えれば、人生まで整うというのは間違いではありません」

※女性セブン2020年11月26日号

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