引退後の内田は指導者として任に就く一方、サッカー解説者としても活躍している。11月7日にはJリーグ・YBCルヴァン杯決勝で、テレビ中継の解説者としてデビューする予定だった(出場チーム関係者に新型コロナ陽性者が出て中止)。また、8日にはトーク番組『おしゃれイズム』(日本テレビ系)にゲストとして招かれるなど、今後はバラエティ番組への露出も増えていきそうだ。
サッカー解説者として、現役引退後の彼にどんな活躍を期待することができるのだろうか。サッカーライターの山口裕平氏は「内田篤人さんは現役時代から自分の考えを言葉で表現できる選手でした」とそのワードセンスを評価する。
「ピッチ上で起こっている出来事や得点・失点シーンについての内田さんの説明は明瞭で、質問をすれば答えをそのまま見出しにできるような独特なワードセンスもありました。
スタンドの観客やTV視聴者とピッチ上の選手から見えている景色の違いも認識しており、『DAZN(ダゾーン)』の解説番組では特に力を入れています。何より、日本人選手で唯一UEFAチャンピオンズリーグ準決勝の舞台を経験した選手であり、自身の経験に基づいた解説は他の誰にも劣らないと思います」(山口氏)
もちろん、解説者の仕事にもスキルは必要だ。だがトップアスリートとして活躍してきた経験は大いに活かすことができる。スポーツライターの酒井政人氏はその強みを次のように語る。
「引退直後は現役選手の印象を実体験として語ることができるのが最大の強みです。付き合いの深い選手に関しては、ファンが知らない一面を紹介することもできるでしょう。チームの戦術に関しても同じです。自分が対戦してきたチームのフォーメーションについても現役選手に近い目線で話すことができます」