さらに、文語と口語で読みを使い分けるケースも。
「『出生』は出生届(しゅっしょうとどけ)という用語として『しゅっしょう』の読み方が残っていますが、『彼の出生の秘密は~』という文脈なら、『しゅっせい』と読むほうが今は優勢です。メディアでも、熟語としての出生届は『しゅっしょう』のままで、単語としては『しゅっせい』と読んでいます」(飯間氏)
飯間氏は続けてこう指摘する。
「漢字の読みは、長い間に様々な理由で変わります。読み方は固定していないと考えておくのが妥当です。今は優勢な読み方でも、年月が経てば、別の読み方に取って代わられるかもしれません」
万古不易の言葉はない、ということか。
※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号